中指斬残、捌断ち儀


『殺しちゃえばー?それとも俺がやってあげるー?』


「……」


なんで今ここでその言葉が出てきたのか分からなかったけど、ここで伯母さんがいなくなれば楽になるのだろうかと続けて思ってしまった。


「……っ」


何をバカなと頭を振る。伯母さんは育ての親であり、捨てられた僕を拾ってくれた、いわば“恩人”みたいな人でもあるんだから、ああ、もう二度とそんなことを思うな……!


「何をしているの。早くなさい」


「あ、はい……」


止まった足を進め、居間に入る伯母さんに続けば、いつもと毛色が違う居間がそこにあった。


コタツを隅に置き、そのスペースには四角形を型どるしめ縄が張られていた。


棒を四点に構え、そこに縄を結ぶような簡素なものでも、榊葉(さかきば)とお神酒が供えられてはいよいよ本格的だとも思えてしまう。


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