中指斬残、捌断ち儀
それが春夏秋冬渉として叶ったこと。
どんなに罵られようが、叫ばれようが。嫌なことをされ、苦しいことをされても。辛くても悲しくても。
「ああ……」
ほらみろ、泣いてないよ、僕――
泣かなくてもいい家庭、それは“僕が泣けなくなったことで達成されたんだ”。
人間らしくないことを藤馬さんに言われて、ついつい“それらしくなったけど”、僕のあり方はなんら間違ってなかったんだ。
数多の苦痛で壊れる前に感情を閉じた。――もしくは逆で、“もう壊れたあとなのか”。
どっちでもいい、このさい。おかげで僕は、無理難題と思われた幼い頃の願いを叶えていたから。