中指斬残、捌断ち儀


指をさして唾を撒き散らす怒声を浴びせれば、渉の笑い声がなくなった。


言うことを聞いたのか、と思えど、あまりにも唐突すぎる。流れているラジオが勝手に切れてしまったかのような――そうだ、“まるで壊れてしまった”かのような。


「ぐっ……」


呻く渉が頭を抱えた。笑いすぎで掠れた喉から、ひゅーひゅーとすきま風のような息を口から吐いている。


「な、に……、な」


目を深く瞑ったり、開けたりと、果ては手で目隠しをし始めた渉は。


「や……な……」


“見える何かを見ないように頭を俯かせた”。


その奇異な行動さえも呪い子ならあり得るかと、喜美子は更に激昂する。


あんたの精神が脆弱だから漬け込まれるんだ、としめ縄を手に持つ。


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