中指斬残、捌断ち儀
水かけではまだ足りない、叩くができない、ならば“もっと別の方法”をしようじゃないかと、喜美子はしめ縄を渉の首に巻いた。
俯いた渉の顔があがり、目が合った。合うなり、こいつはこんな顔をしていたかなと――明子に似た顔を見て喜美子が歯を鳴らす。
いつもは俯いていたし、呪い子と目を合わせては自身の清らかさが汚れると今まで見なかったが、しめ縄を首に巻き付け、食い込ませる過程で――恐らくは初めて、“渉の顔をまじまじと見ることができた”。
「呪い子に相応しい顔だ……!憎たらしい餓鬼の顔だこと、その顔であんたも、あたしを不幸にするんだろう!」
焦らすように両手に絡めたしめ縄を引く喜美子、知らずと歯を出して笑っていた。