中指斬残、捌断ち儀
「五十鈴さんは救ってくれました、確かに!笑顔になれたことに嘘なんかなかった!」
笑顔を教えてくれたのは、幸せを与えてくれたのは紛れもない彼女。
だから、声を張り上げて言ってみせた。
「馬鹿じゃないっ、間抜けでもないっ、あなたは“そんな人じゃない”んだ!
お節介でも偽善でもないっ、あなたがいたからこそ僕は――あなたがいなくて良かっただなんて思わない!」
五十鈴さんがいなくては、僕に人生と呼べるものはなかった。
五十鈴さんと出会い、藤馬さん、さざめきさんと、彼女が架け橋(きっかけ)となって僕に見せてくれた大海(世界)は決して『なくていい』と言えるものじゃない。