中指斬残、捌断ち儀
「間違っている!あなたはそんな人じゃない!誰かのためにならないとか、生きた人間は救えないとか、死神風情がだなんて、あなたがやってきたことは独りよがりじゃなくて、きちんと僕のためでしたよ!
でなければ、僕はあなたを好きでいない……っ。大切だとも家族だとも言えない!あなたは、僕の大切な人なんですっ。大切な家族です!だから――」
そんなこと言わないで、と最後まで言えずに、五十鈴さんの血が飛んできた。
「“それは私も同じなんだよっ”!」
乾坤一擲に近い殴打はやはり届かないものの、血を飛翔させる。
痛みがひどいのか尋常じゃない汗をかく彼女は動くだけで寿命を縮めているようにも思えた。
止めろ、と思うも――分かっていた。