中指斬残、捌断ち儀


手の感覚がなくなったのか、いつしか五十鈴さんの手は拳を作れなくなっていた。


「大切なものを貶された気分はどうだっ。家族を馬鹿にされた気分はっ。それを何よりも、そいつ自身が言ってきた時に何を言いたくなった!」


手首から先に力は入っていない。麻痺した感覚はもはや脳からの命令を遮断している。


「悔しいだろう!?何がなんでも否定したくなる、『そんなんじゃない』って、『そんなことない』って!

本気に躍起に、そいつが大切なら大切なほどこうして怒鳴り散らかしたくもなる!

その卑下がそいつ自身の口から出るならなおさら否定したくなるんだよっ、でないと、あんまりにも悲しいじゃないか……!」


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