中指斬残、捌断ち儀
「むりむりむりっ、くそさみぃ茶番しても、そもそもガキは不幸のまんまなんだよ!」
響いた声に五十鈴さんの肩が強張った。僕はそれほど動揺はしていない。
「運命?星回り?ガキの不幸は周りがどーこして何とかなるもんじゃねえのー。どんなラッキーアイテム持ってもダメダメ、だって、それは俺がぶっ壊すからねーっ」
痛みが消えた頬。彼女の血がついた名残は、五十鈴さんの手が届いた証。
傷つけられない僕に届いた手(痛み)。ただしそれは、ある例外(反則)を持ってして、起こりえる。
「とう、ま……」
かこんと小粋に鳴らされたぽっくり下駄に、黒い羽織は桜が舞う。開かれた扇には血しぶきのような彼岸花が、それをはためかせた彼は卑しく妖しく笑っていた。