中指斬残、捌断ち儀


「痛いの痛いの、飛んでけ――ってな」


陽気な“おまじない”が一つ。


気が抜けることに五十鈴さんは虚をつかれたようだが、すぐに手を眺めた。


「な……」


あるべきものがないかのように、相変わらず傷だらけの腫れた手を彼女は“確認するように触り始めた”。


「あんまいじんなよ。痛いの希望なら、あとからたーっぷり俺が痛めつけてやっからよぅ」


自身の脇を通りすぎた藤馬さんを、五十鈴さんは複雑な面持ちで見つめていた。


そこには痛みで苦悶する表情はない、出てしまった汗はともかくとして顔色も良くなっているような。


「そしててめえは、なに人の女に色目使ってんの?」


五十鈴さんの容態を見る視界が、遮られる。


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