中指斬残、捌断ち儀


「ぇ、づ……」


呼吸が止まる。
呑んだままの息が循環せず、肺に溜まっていた。


頭は打ってないから脳震盪なわけないのに、痛いと相まった気持ち悪さが神経をことごとく捻りあげているような、生命維持の行為が何一つできずにいた。


「渉っ!」


悲鳴めいた女性の声は、よく通る。


それが差し水となったか、なんとか呼吸だけは取り返した。


痛い苦しい――ああ、でも。


「い、す……ず」


あなたの手に比べたらまだましですよね?


ただ、“まし”と思える時点ではまだ足りない。


「へばんなよ、おい。俺のもん――あの手、どーしてくれんの?てめえがあんなにしたんだぜ、ええ?」


彼は、許してなどくれないから。


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