中指斬残、捌断ち儀


「とう……っ」


「粋がっちゃって、まーまー。今にもチビりたくて仕方がねえはずなんだけど、ま、放尿だなんて趣味じゃねえし、とりあえずはそれで勘弁してやるよぅ。

黙って見とけ、ガキが殺されるとこを」


「や、っ……、……!」


顔を上げる――藤馬さんを見ることさえも“怖いのか”、五十鈴さんが顔を地べたにつける。


明らかなる異変は藤馬さんがしたことなんだろう。


呪法師――

呪いを作り、他人を好きに操り、それを悦とする。


「さあて、てめえの大好きな不幸の時間だ」


純然たる悪が、僕の前に君臨していた。


重圧感が悪意を飾り、威圧感が殺意を帯び、自分以外の全てを恐怖で屈服させるような悪本来の姿。


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