中指斬残、捌断ち儀


――


完全に、想定外だったと言っていい。


足元の少年が口にするのは、『やめて』『許して』に決まっていると藤馬は思い込んでいた。


しかして聞いた言葉があまりにも不可解で、ついつい意味を捉えかねてしまう。

だってそうだろう。

もとに戻して――呪い(守り)を返してというならばまだ分かったが、その守り自体をなくせという。


一瞬、その守りを縛る藤馬の術を渉は『呪い』と思っているのかと考えがよぎる。


間違いではない。
赤彼岸花の呪縛は、紛れもなく藤馬が作った呪いの一つだ。


効力としては縛る、ただしそれは“本来ならば縛れないもの”に限る話だが。


用途としては単純に、幽霊だとか思念体、実体があやふやなものを動けなくする手であるが、発動条件が見せるのみなので持続性が弱い。


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