中指斬残、捌断ち儀


ぽっくり下駄の土が移った手のひらは内出血はしているものの、手応えとしては弱い。


もういっぺん行っとくか、と藤馬が足をあげようとすれば。


「お願いしま……といて……」


今度は、袴の裾を握られた。


ただし長くは持たない。しゅるっと落ちた手はぽっくり下駄のつま先を撫でて動かなくなる。


踏むとすれば絶好とも言えよう位置にある渉の手だが。


「まだ言うのかよ、あ?」


藤馬はその手を掴みあげて、渉の体を無理矢理立たせた。


立たせたと言っても膝立ち。半ば、腕から吊るされた状態に近く、引っ張りがない頭は重そうに俯く。


「つか、分かってる?ここでてめえの呪いをとけば、“次は俺だ”。中指ほどえげつなくねえが、優しくはねえぞ、俺は。ボコり殺すかんなぁ、三年待たずに、今ここで」


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