中指斬残、捌断ち儀
梅毒という感染症があった。性病の一種であり、500年近くもの間、日本人を苦しめた脅威の感染症。
『親の目を 盗んだ息子 鼻が落ち』という俳句が梅毒の症状を物語り、感染したものは皆一様に肌が爛れ、腐り、欠損していた。
更に悲惨なのは、母子からの感染であり、産まれてくる子供は大概が人として何かが欠落していた姿だったという。
奇形児。
見せ物小屋で、ミイラと同等となる『本日の目玉』くんだりだが、一部地方では人ではないその形こそが神に近い姿――神に近しい霊力が伴っていると奉られた。畏怖の対象として。
“ソレ”もまた、そうであった。
触らぬ神に祟りなし、その恐ろしい見目から隔離され、災いを持たさぬようにと畏敬された紛い物の神様。