中指斬残、捌断ち儀
「やだっ、離せ!」
『あひゃひゃひゃひゃひゃ!』
「渉っ、渉!やめろおぉ!」
五十鈴の叫び声で察してしまう。
どこに、連れていかれるのか。
閉じた視界の先にはあの絞首台があると思った。全力で逃げようにも、半ば引きずられるようにして引っ張られては手も足も出なかった。
御輿でもするかのような歓声と群がり具合、麻袋の血臭がやけに目立つ。
「やめ、やめろっ!渉に、頼むから渉を殺さないでくれ……!」
五十鈴の悲痛な叫びを誰よりも感じたのは藤馬であった。
渉は大声量たる己が声で聞こえないし、懇願先たる影たちは五十鈴に目配せもしていない。
「やめろ……っ、やめてくれ、お願いっ、お願いだから!渉を……つぅ、渉を連れていかないで!」