中指斬残、捌断ち儀


故に――


「中指斬惨、罰裁ち義」


最強を凌駕する最悪が黙ってはいなかった。


「なっ」


卒塔婆の雨。
先ほどと違い藤馬に全的中した杭が、痩躯を仰向けの状態にした。


蝶の標本のようだ。
ピンで動けぬように四隅を刺し、更には念のためと腹に二本の杭を刺し込む。


威力と速度が今までの比ではないらしく、卒塔婆は藤馬の体が地面につくよりも早く突き刺さる。


貫通した卒塔婆の中間地点で固定された体は宙に浮いたまま、モズの早贄(はやにえ)と化す。


「がっ――」


吐血の色は黒。
上を向いたまま吐いたものは、己自身の顔を汚した。


目の包帯が濁る。
それでもきちんと見えてしまったことに後悔をしたのは――ぬぅと出来損ないの胎児がこちらを、覗き込んでいたからだ。


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