中指斬残、捌断ち儀


岩下の虫でも見るようなあどけなさを模してはいるのだろうが、その悲痛が渦巻く眼で台無しであり、藤馬からしてみれば、こいつがこれから何をするかを察してしまう。


善悪の区別がない。自身がやること全ては許されると思っている被害者は、蛆が群れて形成された人差し指で藤馬の包帯――右目に触れた。


「さわん、がはっ」


拒絶も吐血で伝わらない。そもそも言葉でどうにかできる相手ではないのだ。触られたくないならば、実力行使でその指を切り落とすなりの暴力が必要であろう。


しかして、今。
圧倒的な力の差は、歴然なる結果を見せつける。


歴然、だった。
藤馬とて呪法師の名を冠し、決して格が低いことはないが――相手は“一人目”なのだ。


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