中指斬残、捌断ち儀
藤馬から滴り落ちる血の量もそうだが、何よりも目玉をくり貫かれては生きていないと思った。
視神経ごとごそりと持っていかれてしまい、びくりとも動かなくなってしまえば痛みに堪えかね絶命してしまったのか。
何にせよ、ここまで呼びかけても返事がないのだ。
五十鈴にとっては見慣れた死体。目を背けたくなるほどの陰惨さを宿した体の主は――
「藤馬あぁぁっ!」
もう、起き上がらないんだ。
「中指斬惨」
死体隣の胎児は、今しがたくり貫いた目を手のひらで弄んでいた。
ビー玉扱いと大差ない。邪魔な神経(紐)を引きちぎって、眼球だけとなったそれが綺麗とでも思ったのか執拗に見続けている。
「罰裁ち義……」
不思議な色合いの眼球だった。くすんだ黄色。ヤニにでも蝕まれた色のような、とてもじゃないが人間のそれとは思えない。