中指斬残、捌断ち儀
「生厳儀戯、ぎ……ぃ」
瞳孔部分を上に向けた。目を合わせてしまった状態で胎児はその不思議さに――さながら丸くなるだんご虫でも見る子供のように眼球と戯れていた。
「貴様、それ以上……っ」
死者を愚弄する行為に五十鈴は待ったをしようとしたが、当然ながら未だに動けぬ体。
時間が経つにつれ、血も失っていき先ほどから力が出なくなってきた。体温が下がる、唇が見なくても青いと分かり、大口で叫んだせいか切れてしまった唇が青に赤色を塗る。
「ぐっ……!」
意識の束が一本の糸になっているようだ。ぎりぎりの局面で己が内とも戦うよう。ここで、気を失うなと。
「藤馬さん、藤馬さ……っ、離せ!」
渉の窮地はいよいよ大詰めとなる。
両の足が階段を上りきり、手を伸ばせばというところには三本の縄が垂れ下がっている。