わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「二年の体育、今、ダンスなんだよ。去年私らもやったじゃん。朝一で体育とか、想像しただけで萎える」


「いやあの感じ、彼女たちどう見ても全然萎えてないし。それどころかギャーギャー喚いてるっぽい」


「何かねー毎年来てたインストラクターが今産休で、代理の人来てんだって。『代わりの先生、めちゃくちゃカッコイーよー。いいなー二年、狡いー』って、ナルちゃんが言ってた」


「さすがナル。イケメン情報は何があっても逃さない」


「うん。多分、あん中に居ると思われる」


イケメンインストラクターを一目見ようと必死の乙女たちを眺めながら、溜息混じりに呟いた。


彼女たちの黄色い声が、薄っすらとここまで届く。どうやら彼の一挙一動に、一々、過剰反応しているっぽい。



「木曜午前ぶっ通しだよ? すごくない? その先生、忙しくて週一しか来れないからだって。これもナルちゃん情報」


「高校の体育ごときに、なにもそんな凄い人呼ばなくても……。時間割調整大変だったろうに。ま、余計なお世話か」


言って綾子は自嘲気味に笑った。


< 106 / 340 >

この作品をシェア

pagetop