わたしとあなたのありのまま ‥3‥




その日の二時限目の休み時間、田所はやって来なかった。



昨日の今日だから、当然と言えば当然だ。でも、いよいよ本格的に危機状態だと嫌でも自覚してしまって、不安な気持ちに押し潰されそう。



「来ないね? 田所」


言って綾子はグミを一つ口に含んだ。そして手にしているハガキサイズの袋を私にも差し出した。


中から一つ取り出して、レモン色のそれを私も口に含む。

その甘ずっぱさに思わず涙ぐんだ。



下唇を噛んだって堪えきれるはずもなく、ボロッと一滴、大粒の涙が右目からこぼれ落ちた。



「あーあ、重傷だね」

その軽い口調に思わずカチンと来て、キッと上目づかいで睨みつけた。



「それでも短気は健在」

綾子は呆れたように呟いて、深々と溜め息を吐いた。


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