わたしとあなたのありのまま ‥3‥
と、運動場とは反対方向にいつの間にか人影が。数メートル離れた場所に突っ立ったまま、ピクリとも動かない誰か。


恐る恐るそちらに視線をやれば……。



田所が呆然とした顔でこちらを見ていた。



「た……どころ……」


思わずその名を口にしたけど、それ以上言葉なんか出て来なくて。


そしたら、田所が酷く傷ついた顔をするから、こっちまで泣きたくなった。



一番恐れていた最悪の事態。どう対処したらいいかわからなくて、意味もなく瞬きを繰り返した。


冬以は何も言わないけど、私の手をしっかり握ったままだ。この状況、どうやったって言い訳出来ない。



やがて、張り詰めた空気の中、ゆっくりと田所が口を開いた。


「峰子ちゃんが『行ってやれ』ってうるせぇから来てみれば……。何なの、これ?」


「違う、ほのかは悪くないんだ。俺が勝手に……」


冬以がすかさず私を庇うようなことを言う。やめてよ、逆効果だって。


< 126 / 340 >

この作品をシェア

pagetop