わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「こういうのって、どっちが悪いとかじゃないっしょ?」


至極落ち着いた口調で言って、田所は苦笑を浮かべた。



「そっか」


冬以は平然としたまま返し、そして更に続けた。


「じゃあついでに聞くけど。今日の放課後、ほのかとデートしてもい?」



たちまち田所の顔から苦笑すら消える。



「は? そんなもん、俺じゃなくてほのかに聞けよ」


「うん、そうなんだけど。でも彼氏の承諾得といた方が誘いやすいし、ほのかだってオッケーしやすいだろ?」



もうやめて、と思うも、こんな険悪ムードの中、とてもじゃないけど口を挟むなんてこと出来なくて。身体もカチコチに固まってしまって、身動きすらとれずにいた。



田所が大股歩きでこちらに近付いて来る。それはもの凄い速さで、田所はあっという間に私たちの目の前まで来て立ち止まった。



そうして田所が、冬以の手首を乱暴に掴んで持ち上げたから、ようやく私の左手は自由になった。


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