わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「んなもん、わかってんだよ。だから余計、気に食わねぇけど……。俺の気持ちなんかどうでもいいし。

ほのかの気持ちのが、大事だから」


すごく不機嫌な顔で、なのにすごく優しい声音でそんなこと言うもんだから、胸の奥深くから、田所への熱い想いがブワーッと込み上げて来る。



ほとんど無意識のうちに、駆け出していた。

再び向けられたその背中に向かって、思いっ切り走った。



「田所っ!」


大声で愛しい名を叫んで、後ろから抱き付いた。



もう怖がらない。


冷たく振り解かれたっていい。「離れろよ」って突き飛ばされたっていい。

絶対に離れるもんか。離れてなんかやらない。



私の腕の中の田所が、ゆっくり身を捻って上体だけ振り返る。


怖くて目を固くつぶってしまったけど、それでもぎゅっと腕に力を込めてしがみついた。


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