わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「おはよ」


「顔を上げなよ、小悪魔ちゃん」


「嫌だ。そして私、小悪魔じゃない」


「どうしてこんなことになってんの?」


「それ、誰よりも私が知りたいです」



言いながら、ゆるゆると顔を上げれば、意外にも綾子は心配そうな顔をしていた。


意外でもないか。

私が綾子に心配かけてんだから。



「どうしよう。田所に何て言おう。今度こそ愛想尽かされる気がする。そんな予感がする」


「いや、田所も既に知ってるよ、間違いなく。学校中で大騒ぎんなってるからね。愛想尽かされるんだとしたら、もうとっくに愛想尽かされてる」



綾子の率直な指摘に、思わず涙ぐむ。



そうだ、田所は当然、もう知っている。


でも田所からこの話を切り出すことは、絶対ない、有り得ない。アイツはそういうヤツだ。



田所は既に知っているとわかっていながら、あえて私から伝えなければならないこの悲劇。


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