わたしとあなたのありのまま ‥3‥
苦笑も爽やかな冬以、さすが……。

美しく整った顔を見詰め返して、そんなどうでもいいことを思ったり。



「ちゃんと考えて、ほのか」

フッと優しい笑みを浮かべた冬以が、指先で私のこめかみをチョンと突く。


「ごめん」

注意されたっぽいから、とりあえずは謝って、ちゃんと考えてみる。



「あっ……お隣の美術館行かない? 今、何とか展やってんじゃなかったっけ?」


「『何とか展』なら、いつでもやってるよ」


冬以は可笑しそうにクツクツ笑った。その笑顔に、ちょっとだけホッとする。



「いいよ。じゃあその『何とか展』、せっかくだから観に行こう」

あっさり同意して、冬以は美術館へ向かって歩き出した。



並んで歩きながら、じいっと隣の冬以を見た。でもそれは、ほとんど無意識だったから、

「何?」

不意に聞かれて、たちまち恥ずかしくなった。冬以も照れ臭そうに苦笑している。


< 237 / 340 >

この作品をシェア

pagetop