点零

2

この世界に
一つだけ分からないものがあるとすれば
私の心。

彼氏の事は
嫌いではない。
でもすぐに分かれるつもりだった。
こんなに縁があるなんて、
私の過去は悲惨だ。
私はおじいちゃんに育てられた。
高校なんて、
海外にいる両親から、
仕送りが得られるわけでもなく、
アルバイトと、
おじいちゃんの年金などから
あと、
いろんな支援を受けて
三年間頑張った。

中学のときは、
毎日家の手伝いをしながら、
ご飯も私が作り、
掃除もした。
おじいちゃんには感謝してるけど、
私も欲をいうなら
普通の中学生の女の子をやりたかった。

放課後プリクラ撮ったり、
部活でキャプテンとかしてみたかった。
私は、
それが当たり前の
ことだとも思ってはいなかったが、

高校になると、
もっと大変だった。
いや、悲惨だった。

バイトの許可がおりたのも、
進学校だから、
特別な事情だからだった。
私は、課外にも出ず、
アルバイトの毎日。
この生活は、
周りの楽しそうな女子高生に囲まれた
私にとって、
より、辛いものだった。

幸せそうな高校ライフを
見てるだけの私。

私は置いてきぼりにされ、
おじいちゃんにも当たったりした。
反抗期なんて
大人は簡単にまとめるけど、
そんな
そんな理由じゃなかった。

私だって、
楽しい高校生活を
送りたい。
彼氏だって欲しかった。

何人か告白されたけど、
決して本気とは思えなかった。
ちゃらちゃら日々を無駄にしているようなやつに、
遊びで付き合おうと言われたのだと
私はもう全てが
嫌になっていた。

受験勉強なんて
できやしない。

私は、
卒業して二年間働いて、
自分のお金で専門に行った。
こんな授業のために
こんなくだらない授業のために
なくなっていく私の、

汗と涙のお金。

せめて一番いい成績をとろうと思った。
でも、何年もまともに勉強してない私は、
3番手から、4番手、
結局、在学中に
夜の世界に入った。

わたしにとって、
学生生活なんてないようなものだった。
幸せだったかは知らないが、
幸せそうな同級生をよそに、
私はその日の食費や、
私の学費を考えて、
なお、

おじいちゃんと
二人で頑張ってきた。
この苦労は、
夜の世界での
セクハラや暴言。
様々なことで、
心折れそうだった。

泣きながら
金を、
そして普通を手にいれようとしていた。
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