純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 洋佑には洋佑なりの愛し方があったように、一夜さんにも一夜さんなりの愛し方、そして、私にも私なりの愛し方というものがあるんだ。

 それと同様、それら愛し方の受け取り方も、みんなそれぞれ違うと思うんだ。私は私なりの、一夜さんの愛し方の受け取り方。

 愛し方、愛され方……それらが周りの人達から見て、どれだけ歪(いびつ)なモノに見えたとしても、思われても、私達は私達の愛し方と愛され方を、最期まで突き通せばいい。


 純粋に人を愛する気持ちは、時折いきすぎてしまって狂愛だなんて呼ばれることがあるけれど、私はそれも純粋に人を愛する気持ち――すなわち、純愛となんら変わらないと思う。

 人が人を愛することに、いちいち名前なんていらない。その気持ちが本物なら、それだけで十分だと私は思ったんだ。


「里桜、」

「はいっ?」

「愛している」


 唐突にそう言われ、照れやら恥ずかしさやらで、私の顔に熱が集中していくのが分かる。

 でも、このままじゃいけないと思った私は、一夜さんの顔が映る鏡の方をまっすぐに見つめて、言った。


「私も、です……!」


 自分の鞄につけている、5年前に一夜さんからもらった白いウサギのストラップが、ころんと揺れた。


END.
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