ONLOOKER Ⅳ


ナオが、息を飲む。
悲鳴にも近いそれに反応して、ナツは彼の顔を見て言った。
少しずつ、柔らかい物腰も、優しげな口調も、剥がれてきている。

「考えらんないだろ、一人になるとこ狙って無理矢理だよ? 教師じゃなくてもロリコンじゃなくても十分ド変態だし犯罪だって」
「いつ襲われるか、気が気じゃなかった。中学の頃からずっと、何年も」
「いっつもね、ナツと三人でいるしかなかった」

三人は、代わる代わるに口を開く。
口を開くたびに、耳を塞ぎたくなるような言葉しか出てこない。
不気味な薄ら笑いは、いつのまにか消えていた。
ナツは普段の面影もないほどに苛立たしげに顔を歪めているし、コウキは悲しげに冷ややかな目を伏せているし、ヨリコは強張った表情に、怯えのようなものすら浮かべていた。


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