ONLOOKER Ⅳ


7時20分。
ナツがミスリードして注目させたその時刻が、彼らにとっては、はじまりだったのだ。
本当の殺人も、校舎の封鎖も。
そこから始まっていた。

部室で竹田を発見したヨリコは、助けを呼べば助かったかもしれない彼に、止めを刺すことを選んだ。
親友の復讐のために。自分たちの身の安全のために。

そしてヨリコは、何食わぬ顔で一階東側渡り廊下前へ戻って来た。
もう皆帰っちゃったみたいね、なんて呑気なことを言いながら。
彼女がナツとコウキに相談できた時間は、数分もなかったに違いない。
30分にヨリコが戻って来てから、40分にナツが三階を見に行くと言って姿を消すまで。
大胆にも、マサトやナオが撮影をしているその場所で、小声で相談を交わしていたのだ。



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