ONLOOKER Ⅳ
七人は、三手に分かれることにした。
校舎は三階まであるし、学年で分けるとちょうど三組になる。
三年生のシュンとユカリが一階、二年生のナツとコウキとヨリコが二階、一年生のマサトとナオは三階、というふうに分担した。
一部屋ずつ見て回り、人影は見当たらないか、物音はしないか、窓の鍵が開いているところはないか。
急ぐ必要はないから、とにかく丁寧に、というナツの指示だ。
※
シュンは、ユカリと一階の廊下を歩いていた。
この学校の校舎はとにかく広く、豪華で、調度品一つとっても贅沢に金をかけてある。
三階建てというとそれほど大きな印象もないが、実際は、一般的な高校の校舎の五階分ほどはあるだろう。
高い天井越しにでは、上の階の足音も話し声も、全く聞こえない。