ONLOOKER Ⅳ
舌打ちを一つして、シュンは、一番近い教室に飛び込んだ。
なんでもいい、持ち上げられるもの。
周りを見回して、丸椅子を掴む。
「……シュン!? なにを、」
そして、勢い任せに、窓に叩きつけた。
ばんっ、と鈍い音がする。
ユカリの短い悲鳴が聞こえる。
「クッソ、……っら゙ぁぁあ゙!!」
怒鳴り声。
がん、がん、と、続けて響く。
もうやめて、と、悲鳴のようなユカリの声が聞こえて、シュンはやっと、振り上げていた腕を下ろした。