ONLOOKER Ⅳ
「違います、……そんな、仲間を疑うようなことは」
「は、アリバイまで聞いといて。なぁ、マサト」
シュンの顔からは、次第に表情が消えはじめていた。
性格の悪そうな笑い顔から、底冷えのする無表情になっていく。
「お前ら顔に書いてあんだよ。ユカリをアリバイに使ったんだろって、そう思ってんだろ?」
「え、……シュン!? なにを、」
途端、ユカリが真っ青な顔でシュンを見る。
しかしシュンはそれを無視して、俯く部員たちを見渡した。
「言えねぇよなぁ、俺の親父が怖いもんな。せっかくのコネなくすくらいなら、外部犯のせいにした方がマシだよな?」
目を細めて、歯に衣も着せず言うシュンと、視線を合わせようとする者は誰もいなかった。
ただユカリだけが、狼狽えている。