ONLOOKER Ⅳ
「どういうこと……? 竹田って、男子にもそんな……!?」
コウキが、信じられない、という顔で、呆然と呟く。
いつもほとんど表情を変えないマサトでさえも、顔を歪めている。
シュンはもう、言葉も出ない様子で、ただ真っ青な顔をしている。
「僕だってそんなこと、思ってもみなくて……。でも、脅されて、裏口入学って言いふらすって、もうどうしたらいいか」
「ちょ、ちょっとナオ、落ち着いて。話は聞くから、ゆっくり。な?」
おろおろと頭を抱えるナオに、ナツが慌てて声をかける。
言い聞かせるように優しく言うと、徐々に落ち着きを取り戻して、俯いて大きく息を吐く。
「すいません」と小さく言って頷くと、ナツは口を開いた。
きっと、ナオだけに話させていたら、また取り乱してしまうと考えたのだろう。