ONLOOKER Ⅳ



「まず不可能、と言っていいでしょうね」

ナツが告げたその言葉に、息を飲んだのは、ナオとユカリだった。
それはつまり、映研部員の中に、校舎を封鎖した人物がいる、ということだからだ。
脅しや襲撃に抵抗したら相手を死なせてしまって、なぜか外には出られなくて、ただでさえもう神経が参っている。
もういい加減外に出て、出頭するなりなんなりして楽になりたい、というのが、正直なところだろう。
それなのに、気の知れた仲間の中に、こんなふうに自分たちを閉じ込めた犯人がいるなんて、考えたくもなかった。
ユカリに至っては、すぐにでも失神してしまいそうな真っ青な顔をしている。

「どうするよ? また容疑者に逆戻りだよ、俺ら」

シュンが、意地悪く口角を引き上げて笑った。
当然のことながら、シュンが出入り口を封鎖した可能性だって十分にある。
だが、すでに散々疑ってみせたシュンに、再びあからさまに疑いの目を向けるのは、どうも気が引ける。



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