気がつけば愛でした


「だから、律には悪いが、もう少し頑張ってもらいたいな。」



社長は申し訳なさそうに そう呟く。
こうなってしまったら安易に仕事を減らしてあげて欲しいなんて言えない。口出ししてはならないだろう。

社長も高柳を気にはしているようだが…。

そんな社長に高杉秘書は「大丈夫ですよ」と言った。



「高柳君は社長のお気持ち、重々承知ですよ。」
「高杉…」



そう2人が目線を交わした。
まただ、と静奈は思う。時々、高柳の話をしているとこうして言葉の裏に何か含まれているような感じがするのだ。
貴子も感じているようで、眉を潜めて2人を見ていた。
そんな違和感を吹き飛ばすように社長は笑った。


「まぁ、律のことは静奈ちゃんに任せた!」

「えぇっ!?」

「律のこと頼んだよ~」


そう言って手をヒラヒラ振りながら社長室へと消えて行ったのである。

社長!?



「よし、なら高柳君のことは橘に任せて、俺らは仕事しよう。」

「!?」



高杉さんはニヤニヤ笑いながら、「同行スケジュール変更しようかな」なんて言っている。


静奈はひとりアタフタしていた。






しかし、静奈の高柳への心配は現実となる。



< 102 / 348 >

この作品をシェア

pagetop