気がつけば愛でした
今日の同行は午後からだったため、昼食後、直ぐに出られるように準備をしていた。
しかし、午前中からの社長の会議が長引いており、未だに会議室から出てこない。
「社長、間に合うかなぁ?」
ソワソワする静奈に貴子が心配そうに呟いた。その時、秘書室の内線が鳴った。
貴子が取ると、会議に入っている高杉秘書からのようだった。
「静奈。社長、午後は出られそうにないみたい。高柳と2人で先方に行ってくれって。」
「えっ!?2人で!?」
「えぇ。社長が前もって先方には連絡入れたみたいだから。」
「でも肝心の社長がいないなんて…、大丈夫でしょうか?」
「相手は親しい雨宮グループだから、よほどの失礼がなければ大丈夫だと思うけど。」
静奈は不安になった。
先方の社長に会うのに、こちらは肝心の社長がいない。行くのは秘書と営業だけだ。
本当に大丈夫だろうか。
そんな不安を抱えたまま駐車場へ行くと、高柳が車に寄りかかって待っていた。
「社長は?」
「それが…」
静奈は事情を話した。
2人で雨宮社長に会わないとならないこと。
不安が募る静奈だったが、高柳の反応は意外なものだった。