気がつけば愛でした
「あっそ。なら仕方ないな。行くぞ。」
「えっ。高柳さん、心配じゃないんですか!?」
「別に?」
あっさりとした返しに、静奈は運転しながら隣の高柳を振り返りそうになった。
「雨宮社長なら俺も何度か会ったことあるし、心配ない。」
「でも肝心の五十嵐社長がいないんですよ?不安じゃありませんか?」
こちらは面識あるとはいえ、一介の営業マンと秘書。いくら親しい雨宮社長でも不快に感じるのでは?そう言う静奈を高柳が覗き込むように見てきた。
その真っ直ぐな瞳に運転しながらもドキッとしてしまう。
「俺がいるから心配ない。任せろ。」
「高柳さん…」
「わかった?」
その物怖じしない、自信たっぷりの言い方。
不思議と静奈はさっきまでの不安がなくなるようだった。
何でだろう。高柳に任せれば大丈夫。
そう感じて、深く頷き返した。