気がつけば愛でした
その様子に慌てて高柳の腕を掴む。が、ゆったりした動作でその手を払われてしまった。
「大丈夫だ。」
そう短く呟き、身体を起こして体勢を整える。
するとすぐに雨宮社長が入って来た。
「すまなかったね」
「いえ。こちらこそお忙しいところ申し訳ありません。」
さっきまでの表情とは打って変わって、爽やかな笑顔を見せている。
しかし。
高柳さん…。腕が熱かった…。
「では本日は本当にありがとうございました。」
高柳が立ち上がって社長に挨拶をする。静奈も慌てて一緒に挨拶をした。
ご機嫌な雨宮社長と次回の約束をし、会社を出て行った。
スタスタと駐車場へ向かう高柳を急いで追いかける。
高柳は無言で車に乗り込み、グィとネクタイを緩め、その背もたれに身体を深く預けた。
急いで運転席に乗り込んだ静奈は高柳の方へ身体を寄せる。
「高柳さん、もしかして熱あるんじゃぁ…!?」
「大したことない。」
疲れたように目を伏せる高柳の頬にソッと触れる。