気がつけば愛でした
「何なのよ…」
一瞬、チラリと好奇心がよぎるが首を振ってそれを打ち消す。
まぁ、別にいいや。高柳のことなんて。とりあえずは携帯を返して貰わないと。
色々と疑問は浮かんだが気にせず、静奈はエントランスを入り、高柳の部屋番号を押そうとした。
が…。
「…いくつだっけ…」
「1205だよ。」
突然後ろから声がしてビクッと驚いて振り返る。
そこにはもちろん、
「た、高柳さん!驚かさないで下さい!」
いつの間に後ろに立っていたのだろうか。仕事から帰ってきた高柳は特に謝るわけでもなく、抗議する静奈をチラリと見て、カードキーでピッとオートロックを解除する。
そしてサッサと入っていく高柳を静奈は慌てて追いかけた。