身代わり王女に花嫁教育、始めます!
リーンの真剣な問いに、サクルは声を立てて笑い始めた。
「どうして笑われるのですか? わたしは」
「リーン、お前に“砂漠の舟”の話をした侍女とは、母親であるアシャ・ムタイルのことであろう?」
サクルの言葉にリーンが驚く番だった。
母の姓を聞いたのは初めてのこと。リーンの母は、異民族の中でもきわめて古い歴史を持つ、ムタイル族の出身だという。
そして、さらに――
「アシャはムタイル族の族長の娘だった。彼女は巫女として大切に育てられたが……十八になってすぐ、未婚のまま身ごもった」
「それで、族長である祖父の怒りを買い、母はムタイル族を追われたのですね」
リーンは母の苦労を思うと自分の責任のように感じ、悲しい気持ちになった。
だが、サクルはそんなリーンの言葉を否定したのだ。
「いや、未婚で子を孕むのは外聞の悪いことだが、それで巫女を追い払う部族はおるまい。アシャは親元で子を産み、すぐにムタイル族を離れ、王宮勤めをはじめた。その理由がわかるか?」
「どうして笑われるのですか? わたしは」
「リーン、お前に“砂漠の舟”の話をした侍女とは、母親であるアシャ・ムタイルのことであろう?」
サクルの言葉にリーンが驚く番だった。
母の姓を聞いたのは初めてのこと。リーンの母は、異民族の中でもきわめて古い歴史を持つ、ムタイル族の出身だという。
そして、さらに――
「アシャはムタイル族の族長の娘だった。彼女は巫女として大切に育てられたが……十八になってすぐ、未婚のまま身ごもった」
「それで、族長である祖父の怒りを買い、母はムタイル族を追われたのですね」
リーンは母の苦労を思うと自分の責任のように感じ、悲しい気持ちになった。
だが、サクルはそんなリーンの言葉を否定したのだ。
「いや、未婚で子を孕むのは外聞の悪いことだが、それで巫女を追い払う部族はおるまい。アシャは親元で子を産み、すぐにムタイル族を離れ、王宮勤めをはじめた。その理由がわかるか?」