君の隣、予約中。
颯斗の視線が私の体をなぞっていく。体の芯が熱くなっていくのが自分でもわかる。

私は颯斗に背を向けるのが精一杯だった。

くるりと背を向けた瞬間に颯斗が私の横に立つ。

胸の深い部分に触れるような声で

「捕まえたよ。春奈ちゃん♪」と囁いたかと思うと

腕を掴まれ、私はとっさに颯斗を睨んだ。

それを見ると颯斗は満足そうな顔をして教室から去っていった。


何なのよ…もう。私は自分のペースが颯斗に持ってかれることが腹が立ったが、
何故かそれが気持ち良くもあったのだった。
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