銀棺の一角獣
「ことの始まりは、今から千年近く前のことなの――当時からディレイニー王国もライディーア王国も存在していた。当時は、今とは国境も違っていたでしょうけれど――それでも王家の血は現在まで続いている」
アルティナは、そっと目を閉じる。
あの時、スウェインの行った儀式によってアルティナの頭の中には当時からの歴史が一気に流れ込んできた。
その中からアルティナは関係ありそうな情報を拾い上げて、二人に説明する。
「その頃、両国の間には国交があって――両国はとても栄えていた」
何もなければ、両国はそのまま繁栄を続けていたのだろう。けれど――『魔物』があらわれた。
人の心を食うその魔物は、両国の国民を喰って回ったとアルティナは受け継いだ記憶を語る。
その時手を差し伸べたのは、白銀の毛を持つ一角獣だった。一角獣はその角を人に与え、人はその角を細かく砕いた。砕かれた角の破片を柄にはめ込んだ剣を、何人もの選ばれた兵士たちが手にして魔物に挑んだのだった。
アルティナは、そっと目を閉じる。
あの時、スウェインの行った儀式によってアルティナの頭の中には当時からの歴史が一気に流れ込んできた。
その中からアルティナは関係ありそうな情報を拾い上げて、二人に説明する。
「その頃、両国の間には国交があって――両国はとても栄えていた」
何もなければ、両国はそのまま繁栄を続けていたのだろう。けれど――『魔物』があらわれた。
人の心を食うその魔物は、両国の国民を喰って回ったとアルティナは受け継いだ記憶を語る。
その時手を差し伸べたのは、白銀の毛を持つ一角獣だった。一角獣はその角を人に与え、人はその角を細かく砕いた。砕かれた角の破片を柄にはめ込んだ剣を、何人もの選ばれた兵士たちが手にして魔物に挑んだのだった。