銀棺の一角獣
「――なんともまあ」


 アルティナの側に従う白銀に輝く馬に似た生き物にデインは目を見張る。その額に生えた角は、ティレルが棺の中にいた一角獣であることを表していた。


「丁重に扱え」


 ティレルが口をきいて、デインは再び目を丸くする。


「――馬屋でよろしゅうございますか」

「いいわけないだろう」


 困ってアルティナにデインは視線をやる。くすくすと笑いながらその様子を眺めていたアルティナは、中庭をきょろきょろと見回した。


「馬と一緒というわけにはいかないでしょう――そうね」


 アルティナの視線は、中庭の向こう側に広がる庭園にとまる。


「デイン、あの庭園には四阿があったわね? そこにしましょう」

「しかし、四阿には壁はありませんが――夜は多少冷えるのではないかと」

「問題ない」


 デインの言葉にティレルは尾を振った。
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