銀棺の一角獣
「多少の寒さなど感じないからな。それより」


 とことこと歩いて、ティレルはデインに近づいた。


「城内にある果物をよこせ。干したものはだめだぞ。なるべく新鮮なやつを、なるべくたくさん、だ」

「四阿に運んであげてちょうだい」


 アルティナは、微笑んだ。それから、キーランを前に押し出す。


「婚約者のキーラン様。一番いいお部屋にお通しして、それとお風呂と――」

「大丈夫だよ、アルティナ。ありがとう――お願いできるかな?」

「もちろんでございます。キーラン殿下をご案内して」


 侍女頭を呼び寄せて、デインはキーランを城内へと案内させた。
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