銀棺の一角獣
「アルティナ様! すぐにお支度を」
ルドヴィクはアルティナを揺さぶる。
「敵が近づいてきているようです。すぐにたちましょう」
アルティナは静かに身体を起こした。ルドヴィクの手を借りて、ティレルの背によじのぼる。
ティレルが先にたって走り始めた。夜の闇の中では、ティレルの目の方が確実に敵を見つけだすことができる。
「――追いつかれたか」
ティレルが走りながら奇妙な音をたてる。人でいえば舌打ちしたのだとアルティナは、こんな状況で気がついてしまった。
「ティレル殿――先に行ってください!」
叫んだルドヴィクの馬が体勢を崩して、横に倒れ込む。気配を察知したルドヴィクは、すかさず地面に転がり落ちていて馬の下敷きになるのだけは避けていた。
ティレルが駆け寄った。アルティナは必死に鞍にしがみついている。
「ルドヴィク、乗れ!」
その言葉にルドヴィクが反応する。次の瞬間、彼の身体はアルティナの後ろにあった。
「申し訳ない、ティレル殿――」
「男を乗せるのは不愉快だ。まあいい、舌をかまないように口を閉じてろ」
ルドヴィクはアルティナを揺さぶる。
「敵が近づいてきているようです。すぐにたちましょう」
アルティナは静かに身体を起こした。ルドヴィクの手を借りて、ティレルの背によじのぼる。
ティレルが先にたって走り始めた。夜の闇の中では、ティレルの目の方が確実に敵を見つけだすことができる。
「――追いつかれたか」
ティレルが走りながら奇妙な音をたてる。人でいえば舌打ちしたのだとアルティナは、こんな状況で気がついてしまった。
「ティレル殿――先に行ってください!」
叫んだルドヴィクの馬が体勢を崩して、横に倒れ込む。気配を察知したルドヴィクは、すかさず地面に転がり落ちていて馬の下敷きになるのだけは避けていた。
ティレルが駆け寄った。アルティナは必死に鞍にしがみついている。
「ルドヴィク、乗れ!」
その言葉にルドヴィクが反応する。次の瞬間、彼の身体はアルティナの後ろにあった。
「申し訳ない、ティレル殿――」
「男を乗せるのは不愉快だ。まあいい、舌をかまないように口を閉じてろ」