銀棺の一角獣
 優しく揺さぶられて、アルティナは目を覚ました。


「起きて……ジャファールが待ってる」


 キーランの横になっていたベッドにもたれ掛かっていたことに気がついて、アルティナは飛び上がった。


「ごめんなさい……わたし……」


 目をぱちぱちさせると、キーランは笑った。昨夜同様疲れた顔をしてはいるが、今朝は少しましになっているようだ。

 アルティナは彼の額に手を当てた。まだ熱は残っている。


「あなたはまだ横になっていてください……わたしはティレルたちと話を」


 どうしたものか少し迷った。立ち上がったアルティナは身を屈めて彼の額に唇を当てる。

 キーランの口元が緩んだ。


「行ってらっしゃい」

「……行ってきます」


 アルティナはもう一度彼の額に口づけてから、その部屋を後にした。
 神殿の広間には、ジャファールとルドヴィクが待っていた。ティレルはアルティナが部屋に入った後、ようやくやってきた。


「さて――」


 ティレルは部屋に集まった三人を見回した。
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