銀棺の一角獣
「互いに誘惑に弱いからな。俺たちも――人間たちも。おまえたちは俺たちの能力を欲しがり、俺たちはおまえたちの与える快楽を欲しがる。お互い様、というやつだな。堕落したくない、堕落させたくないのなら節度を持って接するのが一番さ」
アルティナは面食らって目をぱちぱちとさせる。側で話を聞いていたルドヴィクも、ティレルの言う”快楽”が何を指しているのかわからないようだった。
「ねえ、ティレル。たしかにあなたの持つ力は、わたしたちにとっては魅力的よ? でも、わたしたちがあなたにどんな快楽を与えたというのかしら」
ティレルの鼻が勢いよく鳴った。
「与えたさ。品種改良されて、野山に自生するよりはるかに甘く大きくなった林檎。海の向こうから取り寄せたオレンジ。いい香りのする香草入りの石鹸で身体を洗われてみろ。森での生活に戻るのが大変になるだろうが」
あまりな答えに思わずアルティナは吹き出し、ルドヴィクも喉の奥で妙な音をたてた。
アルティナは面食らって目をぱちぱちとさせる。側で話を聞いていたルドヴィクも、ティレルの言う”快楽”が何を指しているのかわからないようだった。
「ねえ、ティレル。たしかにあなたの持つ力は、わたしたちにとっては魅力的よ? でも、わたしたちがあなたにどんな快楽を与えたというのかしら」
ティレルの鼻が勢いよく鳴った。
「与えたさ。品種改良されて、野山に自生するよりはるかに甘く大きくなった林檎。海の向こうから取り寄せたオレンジ。いい香りのする香草入りの石鹸で身体を洗われてみろ。森での生活に戻るのが大変になるだろうが」
あまりな答えに思わずアルティナは吹き出し、ルドヴィクも喉の奥で妙な音をたてた。