銀棺の一角獣
「悪い夢から覚めたような気がする――」

「そうか、それはよかった。おい、デイン」


 ティレルは不躾な口調で宰相を呼びつける。


「さっさと話をしろ」

「ティレル殿から、お話ししたいことは?」

「俺は後でいい」


 デインはうなずいて、ライオールに対しキーランの病状を説明する。血を流して見せたのは演技だと聞いて、王は明らかにほっとした様子だった。


 それから、今後についてへと話題は変わった。ディレイニー王国から、ライディーア側への損害賠償についてと条約の締結について。

 今回の戦争で弱体化したとはいえ、ディレイニー王国との同盟は小国であるライディーア王国にとって悪くない話だ。


「――申し訳ないことをした――過ちの償いは必ず」


 部屋を出ていく時に、ライオールはアルティナ達の方へ頭を下げた。アルティナは首を横に振る。彼を責めることのできる者などいないだろう。
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