銀棺の一角獣
キーランは、アルティナの腕をとって、部屋の隅に設けられている長椅子へと案内した。
「アルティナ殿」
「どうぞ、名前で呼んでください。キーラン様」
アルティナは彼に勧められて椅子に腰を下ろした。キーランは彼女の隣に座ろうとはしなかった。彼女の隣に置かれている別の椅子に座を占める。
アルティナは一度彼に微笑みかけて、そっと視線を外した。彼女の同行者たちは、同じ部屋の中にはいない。
この部屋にいるライディーア王国の人間は彼女一人。気を強く持たなければ――と、自分に言い聞かせる。
結婚により絆を深めると言えば聞こえはいいが、事実上併合されることになるのだろう。
そうでなければ、アルティナ一人ではなく宰相であるデインやその他の大臣のうち何人かは同行を許されたはず。
けれど許されたのは、護衛と――アルティナは連れてこなかったけれど侍女――だけだった。
敗戦の小国、と侮られているのが嫌でもわかってしまう。
「アルティナ殿」
「どうぞ、名前で呼んでください。キーラン様」
アルティナは彼に勧められて椅子に腰を下ろした。キーランは彼女の隣に座ろうとはしなかった。彼女の隣に置かれている別の椅子に座を占める。
アルティナは一度彼に微笑みかけて、そっと視線を外した。彼女の同行者たちは、同じ部屋の中にはいない。
この部屋にいるライディーア王国の人間は彼女一人。気を強く持たなければ――と、自分に言い聞かせる。
結婚により絆を深めると言えば聞こえはいいが、事実上併合されることになるのだろう。
そうでなければ、アルティナ一人ではなく宰相であるデインやその他の大臣のうち何人かは同行を許されたはず。
けれど許されたのは、護衛と――アルティナは連れてこなかったけれど侍女――だけだった。
敗戦の小国、と侮られているのが嫌でもわかってしまう。